【徹底解説】CHASE(チェイス)って一体何?科学的介護ってどういうこと?データ化で介護の未来が変わる!

chase

厚生労働省は2020年に『CHASE(科学的介護)』を稼働させ、介護のデータベース化の実現を掲げていました。 そして同年5月には利用申込みがスタートし、本格的に始動しています。 『CHASE』とは一体何なのでしょうか?科学的介護ってどういうこと? ここでは、これからの介護業界を大きく進化させる『CHASE』についてなるべく分りやすく解説していきます。

 2021/1/21追記

2021年4月から「CHASE」と「VISIT」を統一させた呼称として、新たに「LIFE」という名称が発表されました。介護保険データベースとLIFEの二本柱となります。CHASEやVISIT、介護保険データベースについては本記事で解説していますので、引き続きご一読ください。

厚生労働省が進めている「CHASE」って一体何?

『CHASE(チェイス)』とは、Care】【Health】【Status】【Events】の頭文字を組み合わせた言葉です。 【Care】と【Health】は介護のサービスを意味し、【Status】は利用者の状態、【Events】は利用者の情報を意味しています。これらの情報を集めて蓄積し、データベース化して活用することが『CHASE』の目的です。

なぜデータベース化が必要なのかというと、医療の分野を思い出してもらえるとわかりやすいかと思います。 現在の医療においては、”エビデンス(根拠)”を用いた『根拠にもとづく医療』が定着しています。これまでに蓄積された様々な臨床結果や情報をもとに最新かつ最良な根拠を用いて、患者さんそれぞれに合った医療を提供しているのです。 介護の分野でもこれを活用しようと動き出したのが『CHASE』です。

「CHASE」が必要な理由

しかし、これまでの介護業界にもデータ化されている情報がなかったわけではありません。 それは「介護保険データベース」と「VISIT」というものです。

それではなぜ「CHASE」が必要なのでしょうか。既存のデータベースの内容と見比べてみましょう。

介護保険データベース

介護保険データベースの始まりは平成25年度。利用者の市区町村や、介護保険レセプト情報、要介護認定データなどを統合して蓄積しています。介護保険データの提出は義務化されており、全保険者から収集されています。収集方法は事業所で毎月行われている国保連合会への保険請求です。

VISIT

VISITは、リハビリテーションに関する情報を収集しています。通所リハビリテーション事業所と訪問リハビリテーション事業所から収集しているリハビリテーション計画書などの情報です。介護保険データベースとは違い、今のところ任意で収集されている情報となっていますが今後拡大していく予定とのこと。VISITを用いてデータを提出している事業所には「リハビリテーションマネジメント加算」が設けられています。

CHASE

CHASEでは既存のデータベースでは賄えなかった細かな情報も収集。利用者の状態やケア内容などに関するデータベースを構築していきます。200以上の項目から成っていますがあまりにも項目が多いと現場の入力負担などが懸念されました。その為厚労省は収集項目を整理して優先順位をつけ、できるだけ多くのデータが必要な【基本的な項目】を30に絞っています。

CHASE(LIFE)の収集方法

次にCHASE(LIFE)の収集方法についてです。
情報を提供するには専用サイトを通して提出します。専用サイトを利用するには以下のリンクから事前に利用申請が必要です。利用申請後ログイン情報が簡易書留で届いたらユーザー登録などを行いCHASEの情報が入力できるようになる、という流れとなっています。

「LIFE」専用サイトはこちら

ユーザー登録の方法や操作方法などが記載された「導入手順書」や「操作説明書」なども上記の専用サイトからダウンロードすることができます。

ただ、新たにCHASEに情報を入力するという業務が増えることになれば時間も手間もかかってしまいます。いくら介護の未来をより良くするためとはいえ現場の業務負担が増えてしまっては本末転倒ですよね。

そこでポイントとなってくるのが介護ソフトです。

介護ソフトをご利用中の事業所さんならお分かりの通り、介護ソフトに入力している情報はすでに電子化されています。CHASEではこれらの情報をCSV形式で取り込むことができるのです。この方法なら時間や手間をかけずCHASEを導入する事が出来るでしょう。

しかし残念ながらすべての介護ソフトがCHASEに対応しているわけではありません。CHASEの標準仕様に沿った情報を書き出すことができる介護ソフトであることが必要なのです。CHASEに対応した介護ソフトから出力したCSVファイルであればCHASE専用サイトに取り込むことができます。

※CHASEの対応が可能かどうかは各ソフト会社にご確認ください。

ナーシングネットプラスワンの対応状況

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弊社ソフトのナーシングネットプラスワンではLIFEへの出力に対応しています。現在の対応状況は以下の通りです。(順次対応範囲を広げております。)
・基本情報………対応完了!
・科学的介護推進情報(既往歴情報)………対応完了!
・科学的介護推進情報(服薬情報)………対応完了!
・個別機能訓練計画書………対応完了!


▼特設ページ
ナーシングネットプラスワンはLIFEへのデータ出力に対応します。

 関連ニュース
ナーシングネットプラスワンでは事業所間でデータの受け渡しが可能な、ICT連携機能(データ連携における標準仕様)がリリースされ、より便利にご利用いただけるようになりました。

CHASEをどう活用していくのか

このようにCHASEはこれまで以上に詳細なデータを収集し、それらを分析することによってよりよい介護の未来を目指しています。

例えば、「このサービスを〇日利用した結果、こうなった」というようなエビデンスが蓄積していくことによってそのサービスがどう適正だったのか、または適正ではなかったのかなどの裏付けをとることができます。それらを研究して介護の現場にフィードバックすることで根拠に基づいた介護ができるようになるのです。

また、現在介護事業所ごとに行われている情報管理や介護サービスを行う上でのルールなども、CHASEを用いることによってある程度統一化されていきます。これまでは現場によって違っていた対応にガイドラインができることによって業務が効率化されれば、人員不足の解消も期待できますね。

今般の感染症対策においても介護業界のICT化が急がれています。これまで対面で行われていたことが容易ではなくなってしまいオンラインの重要性が改めて高まっています。
2025年には後期高齢者が2,200万人を超える時代がやってきます。これまで以上に介護人材は不足し、介護保険の財源も膨れ上がることが予想されるため、科学の力で効果を検証し業務の効率化やサービスの妥当性を見直しつつ解決していきたい考えです。

CHASEを提供するメリットは?

科学的介護の実現のためCHASEの情報が必要なことはわかったけど、事業所側が情報を提供するメリットはあるの?という方もいらっしゃるかもしれません。

先程紹介したリハビリに関する情報を収集しているVISITでは提供している事業所へ加算が行われています。CHASEの場合も次回の報酬改定でCHASE加算が新設されると発表され、厚労省は情報の提供を「評価」する意向を示しています。加算についての詳細は未公開なので今後の動向に注目していきたいところです。

 2021/1/21追記

厚労省は、「科学的介護推進体制加算」の新設を発表。利用者のADL等のデータ提出を要件に一人当たり月に40単位加算されます。施設系サービスの加算Ⅱではさらに幅広いデータの提出が要件となり加算は一人当たり月に60単位とのこと。こうした情報をサービス提供月の翌月10日までにLIFEへ送る必要があります。   >>>【資料を見る(PDF)】


また、都道府県によって行われているICT補助金の申請においてもCHASEの対応(または対応予定)が条件となっています。 ICT補助金制度とは介護ソフトや介護ロボットの導入にかかる費用を自治体が補助してくれる制度です。

▼ICT補助金についてはこちらの記事へ

CHASEで介護の未来が変わる!

まだまだ始まったばかりで課題も残るCHASEですが、科学的介護の実現に向けた流れはこれまでの介護の概念を変える大きなきっかけになるかもしれません。科学的根拠に基づく介護はこれからの時代に定着していくことと思われます。

昨今、各業界でデジタル化が推進されています。 介護業界もICT化が進むことで、きっとこれまで以上に効率良く最適な介護サービスの提供が実現できることでしょう。

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