福祉事業のファクタリングとは?メリットデメリットを解説
ファクタリングとは?
ファクタリングサービスとは、売掛金を早期入金するサービスです。 売掛金をファクタリング会社が買い取って現金化することで、期間を待たずに現金化できるというものです。
介護事業でいうと、サービス提供から入金まで約1.5ヶ月ほどかかりますが、その入金までのタイムラグを無くすことができます。 借り入れではない資金調達サービスとして話題となっています。
なぜ今、福祉業界で注目されているのか
福祉業界でファクタリングが注目されている理由は、大きく分けて以下の3つです。
①サービス提供から入金までのタイムラグ
福祉業界は国保連請求があるので、実際のサービス提供月から入金まで時間がかかるのが特徴です。
②物価高や人件費の上昇
食材費や光熱費がどんどん上がっている上、ガソリン代も高くなっています。 最低賃金の上昇によって人件費も年々上昇傾向です。
③コロナ禍以降の事業継続不安
コロナ禍により経済的ダメージを受けた事業所も多くあったため、その経験から手元資金の確保を優先する事業所が増加しているようです。
また、福祉業界は、債権の信用力が高いので審査も通りやすく、ご利用しやすいといった背景もあります。
介護・福祉事業者が抱える資金繰りの課題
介護サービスや障害者総合支援では、サービス提供した翌月に国保連請求をします。 そして入金があるのは請求した翌月中旬ごろなので、実際のサービス提供から売り上げが入金するまでは約2ヶ月近くかかることになります。
その間にも、家賃や光熱費、人件費は毎月の出費としてのしかかってくるので、売り上げが入るまでのタイムラグで資金繰りが悪化するという課題を抱えています。
ファクタリングの仕組みと利用の流れ
ファクタリングの仕組みは、売掛金をファクタリング会社が買い取り、その買い取り額を早期に入金します。売掛金の買い取りなので保証人や担保が必要なく、負債とはなりません。
ファクタリングの仕組み図
ファクタリングを利用するには、申込書や指定許可通知書などの必要な書類をファクタリング会社へ提出して申し込みをします。その後審査を経て、契約となると債権譲渡通知を国保連へ提出してファクタリングサービスが開始します。お申込みからサービス開始までにかかる期間は約2週間ほどとなります。
お申込み時に必要な書類の例
- 申込書
- 指定許可通知書
- 納税証明書
- 保険料納入証明書
- 印鑑証明書
- 履歴事項全部証明書
など
ファクタリングのメリット・デメリット
メリット
・資金繰りが安定する
入金が早いので、資金繰りが安定します。特に開業後など、売り上げが不安定な時などに便利です。
・信用情報に影響しない
借り入れではないので、バランスシート上の負債になりません。
返済や担保も必要ありません。
・使い道は自由
ファクタリングは、使用用途は問われません。急な出費や予期せぬ返戻の際にも利用できますし、資金繰りに困っていなくても、もしものための手元現金の確保で使われる場合もあります。
・早くて簡単
銀行融資とは違って必要な書類も少なく、審査もそれほど厳しくないため、簡単かつスピーディーにサービスを開始することができます。
デメリット
・手数料がかかる
ファクタリングを利用するには手数料が発生します。手数料率はファクタリング会社によって異なるため、なるべく安く抑えられる会社を選ぶのも重要です。
・長期依存になるリスク
ファクタリングは利用しやすい反面、使いすぎてしまって根本的な収支改善が行われず、逆に資金繰りが悪化する、長期依存になるというリスクもあります。
ファクタリングと銀行融資の比較
| ファクタリング | 銀行融資 | |
|---|---|---|
| 資金の性質 | 売掛金を現金化 | お金を借りる |
| 審査のポイント | 売掛先の信用力が中心 | 自社の信用力が中心 |
| 信用情報への影響 | なし | あり |
| 入金までの期間 | 早い(数日) | 遅い(1週間~数か月) |
| 手続きの手間 | 少ない | 多め |
| 資金の使い道 | 自由 | 限定される場合あり |
| 担保や保証 | 不要 | 担保や保証人が必要 |
実際の介護事業所ではどう使われている?
弊社で実際にファクタリングをご利用している方がどのように活用しているのかご紹介します。
ファクタリング会社を選ぶ際のポイント
ファクタリング会社を選ぶ際のポイントは、まず安心して任せられる会社かどうかが一番のポイントです。企業情報や業歴なども確認してみましょう。 また、ファクタリング会社によって手数料率が異なるため、相場を知ることも重要です。 あまりにも高い手数料率だと毎月の負担が大きくなってしまうので注意しましょう。
まとめ
事業継続と成長のための資金戦略として、ファクタリングは有効な資金調達手段です。 福祉業界は売掛先が国になるため信用度が高く利用しやすくなっています。 一方で、計画的に活用しないと本来のサイクルに戻しづらくなる可能性もありますので、しっかりメリットとデメリットを理解してうまく活用しましょう。
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